製造業ニュース 2023年04月24日21:44

ビンES、ストアドットと提携 EV用超急速充電バッテリーを開発

ビングループ(VinGroup)傘下にある総合エネルギー・ソリューションを提供するビンESは、EV向け超急速充電(XFC)バッテリーを開発するイスラエルのスタートアップであるストアドット(StoreDot)との提携を発表した。

ビンES、ストアドットと提携 EV用超急速充電バッテリーを開発

ストアドットは2022 年1月、ビンファスト(VinFast)をはじめ複数の投資家から8000万USDの資金を調達した。この戦略的出資に続き、今回発表された提携は両社のバッテリー技術開発における新たなマイルストーンとなり、高度なバッテリー技術の開発及びビンファストのスマートEVを含むグリーン・モビリティ市場向けのXFCバッテリー・ソリューションの導入をさらに加速させる。

本協定に基づき、両社はXFCバッテリーの大量生産・供給に備え、共同でさまざまな形状のバッテリーに合わせたXFCバッテリーセルの研究開発を行う。ストアドットは独自技術であるXFC技術をライセンス供与する。一方で、ビンESは複数のバッテリーセルの開発、生産、検証およびグローバル・サプライチェーン・マネジメントに関するノウハウを共有する。第1世代のXFCバッテリーは2025年に生産され、ビンファストのEVに採用される予定だ。

ビンES社長のファム・トゥイ・リン氏は次のように述べている。

「ストアドットとの提携は、世界的な革新的技術をビンESのベトナムにおけるEV用バッテリー生産ラインに適用するというビンESの最重要戦略の一つになる。急速充電技術は充電に関するコスト・時間を削減することで、カスタマー・エクスペリエンスを向上させる。ストアドットの有能な科学者・専門家とビンESの研究経験、生産能力が連携することで、様々な形式のバッテリー開発が期待できる。急速充電技術の商用化を迅速に進め、世界的なEV革命の促進に貢献したい」。

ストアドットのCEOであるドロン・マイヤーズドルフ博士は、「ビンESとの提携を通じ、ビングループおよびビンファストとの関係を強化することを喜ばしく思う。本協定は、ビングループのような完成されたEVバッテリー・エコシステムを持つ企業とのパートナーシップ構築に注力している弊社にとって、非常に重要な意味を持つ。ストアドットの急速充電バッテリーとビンESの開発・生産・検証およびサプライチェーン・マネジメント能力との組み合わせにより、業界の水準をさらに引き上げる高品質のEVバッテリーを提供できるだろう」と述べている。

昨年、ストアドットは戦略的技術ロードマップ「100inX」を発表した。高密度シリコン負極技術を活用した「100in5」(5分間の充電で100マイル)、半固体電池「100in3」(3分間の充電で100マイル)、リチウム構造電極を持つ電池「100in2」(2分間の充電で100マイル)というストアドットの3世代のバッテリー技術が含まれる。それぞれの技術は2024年、2028年、2032年までに登場する予定だ。

DÂN TRÍ / TRANSLATOR: THÙY TRANG / PROOFREADER: AIKO MIHARA
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