12月のベトナム製造業の購買担当者景気指数(PMI)は3月ぶりに50を下回った。事業環境の悪化が進んでいる。

米調査会社のS&Pグローバルによると、ベトナム製造業の購買担当者景気指数(PMI)は、12月に49.8ポイントとなり、11月の50.8ポイントから低下した。50を下回るのは3か月ぶりで、事業環境の悪化を示した。
新規受注と生産高の成長鈍化
新規受注と生産高の成長は共に著しく減速している。12月の成長率は過去3カ月で最低となる。輸出向け新規受注は2か月連続で減少し、特に12月は顕著な落ち込みが記録された。
景況感が大幅低下
世界市場の不安定さにより、製造企業の景況感が低下した。特に、米国の次期政権による貿易政策や関税計画への不透明感が一因として挙げられている。12月の景況感は2023年5月以来の最低水準を更新した。
雇用は3か月連続で削減されている。12月の削減率は8月以降で最大となる。新規受注が微増する中、滞留仕事は7カ月連続で増加している。
景況感の悪化にもかかわらず、生産増が見込まれている。購買活動は活発化させたものの、企業は在庫の積み増しに慎重な姿勢を維持している。原材料在庫と完成品在庫は引き続き減少。
投入コスト増が販売価格を引き上げた
原材料不足やインフレ圧力が強まる中、原材料費と販売価格の上昇スピードが11月を上回り、7月以降で最も急激となる。したがって、販売価格は8か月連続で高騰している。特に、12月の上昇率は過去平均水準を上回っている。
納期は4か月連続で延長傾向にある。なお、遅延幅は比較的軽微だ。