学生時代はある程度決まったレールに乗っていれば、問題なく進むことができたかもしれない。しかし、社会人になったら主体性を持ち、どのように仕事を進めていけばよいか、問題をどう解決すればよいか、日々考える能力が必要にある。ところが、段取りの仕方を習得する機会に恵まれない。
そんな悩みを抱えているあなたに最適な本が「残業ゼロ! 仕事が3倍速くなるダンドリ仕事術」(吉山勇樹)だ。本書は、段取り力を身につけるための77の技術を紹介している。本文の中からいくつか抜粋してみよう。
1.時間を上手くコントロールする技術
仕事の全体の構成をイメージした上で、各作業のデッドラインを設定する。自分の時間は生み出すためには、集中時間を設けたり、移動時間を短縮したりして工夫する。
2.劇的! スピードアップの技術
小さな仕事や簡単かつ効果が上がる仕事を分類して、どんどん処理する。簡単な仕事から始めたり、報連相(報告・連絡・相談)を徹底したりする。
3.プロジェクトをうまく動かす技術
まずはゴールを明確にしてから、そこに至る計画を考える。さらに、リスク管理をしっかり行い、プロジェクト終了時は振り返りを行う。
4.モチベーションをマネジメントする技術
朝早く出社するなどして集中できる時間・場所を作り、残業は極力減らす。集中できなければ簡単な仕事からとりかかる。自分なりの楽しみをつくる。リラックスするための予定を立てる。
5.考える力をアップする技術
ゴールや理想を考えて、現在とのギャップを明確にする。その際、なぜなぜ分析やMECE(※)などを活用し、問題を解決する。
6.ツールを上手く活用する技術
インターネットや手帳などのツールを活用し、仕事を効率的に進める。
日常生活においても仕事においても、物事を進めていく上で段取りはとても重要だ。段取りは誰もが身につけるべきプラットフォームスキルと言える。本書には、すぐに実践可能な段取り術がたくさん書かれている。ベトナム語版も発刊されているので、ぜひいちどベトナム人スタッフと一緒に読んでみてほしい。
※MECE(ミッシー):Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略語。ビジネスシーンにおける論理的思考(ロジカルシンキング)の基本概念の1つ。
文/ブイ・リン
名古屋工業大学大学院卒業後、 (株)パロマに入社。生産ラインの改善、 生産ラインの立ち上げ ・ 管理、 品質管理等のさまざまな業務を経験し、 2021年9月、 ベトナムに帰国。 ベトナム製製品の品質向上を目指し、 中小製造業企業向けの 「日本式品質保証システム構築」 コンサルタントとして活動している。