粉体塗装技術は1950年代から世界に登場し、大きな進歩を遂げてきた。ベトナムでは、近年、粉体塗装技術が多くの生産分野で発展している。本稿では、この技術に関する基本知識、およびベトナム企業の現状と今後の発展の方向性について解説する。
前回の記事はこちら:ベトナムの粉体塗装業界(その1)
前回の記事では、粉体塗装の①表面洗浄工程と②乾燥工程について紹介した。今回は、次の工程とベトナムの粉体塗装産業の潜在性について詳述する。
プライマー乾燥工程
原則として、製品はプライマー(下塗り)塗装を経る必要がある。プライマー塗装後、乾燥室を通った製品は、このプライマー塗装層によって材料の表面の密着性がより高められる。しかし、ほとんどの企業は、材料と生産コストを節約するためにこの工程も省略する。また、顧客のプライマー塗装不要という要請に従うケースもある。
仕上げ塗装
製品は、塗装層の均一性と品質を確保するために自動スプレーガンシステムで仕上げられる。ラインによって、企業ではシングルスプレーガンまたはダブル スプレーガンを使用する。塗装の質、色は正しい混合率で決まる。塗装する前に、金属表面が清潔で汚れがないこと、ハンガーおよびコンベヤーベルトを確認する。それぞれの製品は100~200mm以上離して吊るす。手作業による塗装では、角・端→平面→下方→上方という正しい順序で塗装を行う必要がある。対面にいる人に影響を与えないよう塗装の方向に特に注意しなければならない。
図3. 仕上げ塗装
乾燥成形および仕上げ
粉体塗装後の製品は乾燥室に戻される。この工程により、塗料が表面にしっかりと均一に美しく付着する。
図4. 乾燥
製品検査
色、密着性、被覆率を評価するために製品の外観検査を行う。より高い要件の場合は、塗料の厚さ、密着性などを測定する専用機器で検査する。
図5. 粉体塗装後の製品
粉体塗装産業の潜在性
上記の解説から、ベトナムの粉体塗装産業の潜在性は非常に大きいことがわかる。ますます激化する競争圧力を前に、企業は間違いなく粉体塗装システムおよび補助設備に投資し、それらを完備する必要がある。それをして初めて、製品は日本、米国、欧州の市場に参入するための厳しい基準をクリアできることになる。
現在、北部の省では、自社製品の生産のために一貫式の自動粉体塗装ラインを備える企業(VietPhap MEEC、Seiki Innovations Viet Nam、Haweeなど)が増えてきている。これらの企業は、主に電気キャビネット、はしご型ラック・樋菅、板金構造物の塗装に対応するほぼ完全な粉体塗装システムを持っているため、外国の顧客やパートナーからその製品を高く評価されている。
北部地域の粉体塗装を請け負う製造企業(ベトナム企業)
文/Nguyen Hoang Hang NC Network Vietnam