製造業ニュース 2024年04月29日15:57

ベトナム工業団地の土地賃貸価格、今後3~9%上昇

ベトナム工業団地の土地賃貸価格は毎年3~9%増で、倉庫・工場 の賃貸料金も1~4%増になると予測されている。

ベトナム工業団地の土地賃貸価格、今後3~9%上昇

工業団地の土地賃貸価格は24年第1四半期に微増

世界最大の事業用不動産サービス会社CBREによると、ハノイやハイフォン市、バクニン省といったベトナム北部の産業主要都市において、土地賃貸価格は前年同期比7.8%増の133ドル/平方メートルに達した。新規供給がないため、賃料の上昇にもかかわらず、建ぺい率は83%となる。

南部の産業主要都市であるホーチミン市やビンズオン省、ドンナイ省にも同様に、土地賃貸価格は同期比2.4%増の189ドル/平方メートルだ。工業用地が限られているため、建ぺい率は92%に及んでいる。近年、バリアブンタウ省やタイニン省等、賃料が比較的安価な都市に工場建設する傾向も高まっている。

一般的に、北部と南部各地の建ぺい率はそれぞれ約70%と57%となる。土地賃貸価格は前年同期比約2.2〜3.9%と伸びた。

倉庫・工場賃貸需要は不況に影響されている

不況や貿易低迷の影響を受け、新たな賃貸契約の締結は極めて少ない。国内消費に対応する目的を持っているEコマース会社との取引が主だ。

北部の産業主要都市には、24年第1四半期の倉庫・工場の稼働率はそれぞれ70%、87%となる。倉庫の賃料は変動なく月4.7ドル/平方メートルで、工場の賃料は同期比3.9%増の月4.9ドル/平方メートルだ。

南部においては第1四半期に新規供給が少ないため、倉庫・工場の稼働率は同期比2%増の57%、87%に達した。倉庫と工場の賃料はそれぞれ2.2%増の4.6ドル/平方メートル、3.9%増の4.9ドル/平方メートルとなる。

新規供給の拡大が緩やかに

事業用不動産の分野で世界をリードするC&Wによると、企業は次の生産適地を探す「中国+1」の戦略を進めてきた結果、ベトナムのグローバルサプライチェーンにおける位置づけが今後とも高まっている見通しだ。2023年の対ベトナム海外直接投資(FDI)は前年比32.1%増の366億ドルにのぼり、特に加工製造業と不動産への投資がそれぞれ64%増、13%増だ。

直近3年で、北部における土地賃貸価格は毎年3~9%増で、南部においては毎年3~7%増だと予測されている。倉庫・工場の賃料は毎年1〜4%増だ。

今後12カ月、南部各地に約27万平方メートルの倉庫・工場が新規に供給される。一方で、北部バクニン省やフンイエン省に約18万5000平方メートルの新規供給が見込まれている。

VnEconomy / Translator: Thùy Trang
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