11月1日まで開催の技術展示会で、ベトナム初のAIデジタルヒューマンの披露や通信大手ベトテルの自社開発5Gチップが話題になっている。
国家イノベーションセンター(NIC)の新拠点開設を機に、ベトナム計画投資省は2023年ベトナム国際イノベーション展示会(VIIE 2023)を10月28日~11月1日まで開催している。米のスペースX、グーグル、メタ、インテルや韓国SK、サムスン、越ベトテル、FPT、VNPT等、国内外の大手企業が多く集結。
今年度の展示は スマート工場、スマートシティ、水素技術、デジタル通信、半導体技術、医療技術、環境技術、サイバーセキュリティを含む8分野に焦点を当てる。出展企業は仮想現実(VR)や複合現実、IoTなど幅広い先進技術の活用で革新的なソリューションの可視化を行っている。
通信大手ベトテルは5Gチップの研究に成功と発表
ベトテルはスマートシティ、半導体技術およびサイバーセキュリティにおける草分け的な存在として、全ての上記8分野に事業を展開している。2019年にベトナムを5Gネットワーク機器の生産能力を持つ世界6番目の国にした同社は、電気通信ネットワーク事業者兼電気通信機器メーカーの世界で唯一の企業だ。
今回、5Gチップに加え、同社のAIエコシステムを代表する法務仮想アシスタントおよび顧客サポートソリューション「Viettel AI Video KYC」を展示している。
同社の5Gチップは5G・DFEアルゴリズムの処理や全ての5G・RRU(リモート無線装置)の動作、高速通信の制御などの役割を担う。1秒当たり1兆回の計算能力も備え、米シノプシスから高評価を得た。
一方で、法務仮想アシスタントには最大2000件のリクエストを同時に処理する能力が搭載される。導入によって、顧客企業は生産性を最大1万倍向上でき、人員・時間削減につながり、24時間365日お客様に即座対応できる。
顧客サポートソリューション「Viettel AI Video KYC」には顔認識や音声コミュニケーション、画像自動処理機能が搭載されている。自動注文受付や毎月数十万件のビデオ通話を処理することによって、顧客企業に年間600億ドン(約3億7000万円)の経費削減効果をもたらす。
ベトナム初のAIデジタルヒューマンの披露
ベトナムでマーテックやインタラクティブマーケティング分野のパイオニアであるADT社はベトナム初のAIデジタルヒューマンを展示している。彼女の名前は「Hạ Vy」(ハ・ヴィ)だ。AIのコアは超リアルなバーチャルヒューマン(hyper-real metahuman)と統合され、表情を自らで決めることやリアルタイムコミュニケーションを取ることができる。
同社の創設者兼CEOによると、今後、AI仮想人間を顧客サポートやツアーガイド、ライブストリーム販売などの幅広い分野に活用し、顧客に新たな体験を提供する計画だという。
これに先立ち、世界大手のG42傘下にあるCore42社と協力し、ドバイで開催された国際技術展示会「GITEX GLOBAL 2023」で同社のAIデジタルヒューマンを展示した。インテルやマイクロソフト、AWSを含むテクノロジー企業5000社が参加した本展示会で、最速のリアルタイム・インタラクティブ・ソリューションとして話題になった。具体的に、最速の応答処理速度(1秒以下)、最速の音声合成(2秒)、最速の文脈認識とGPT応答(0.1s/50ワード)のすべての記録を更新した。
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