半導体大手のシノプシスはベトナムのIC設計人材の育成を支援するために、ベトナム国家イノベーションセンター(NIC)と協力することを発表した。

18日、両者は協力覚書(MOU)を締結した。NICはハノイ西部に位置するホアラック・ハイテクパークにIC設計・インキュベーション・センターを構築している。シノプシス(Synopsys)は同施設に、ソフトウェアとハードウェアの共同設計を最適化するための高度技術を共有する予定。
具体的に、シノプシスはカリキュラム、教育資料、教師のトレーニングプログラムを含むトレーニング・ライセンスをNICに提供する。一方で、NICはシミュレーションやプロトタイプ作成のためのインフラへの投資を実施する。本提携は、ベトナムにおける高質なIC設計人材の育成に寄与し、スタートアップ環境も改善すると期待されている。
ベトナム国家イノベーションセンターNICは2019年10月2日、半導体産業を含む多くのハイテク分野におけるイノベーション・エコシステムを発展させるため、ベトナム政府によって設立された。これは政府の科学技術の革新を核とする経済成長戦略の一環だ。
NIC副所長のボー・スアン・ホアイ氏によると、「S&P500に入っているシノプシスは電子設計自動化(EDA)やソフトウェア・セキュリティ、半導体IP分野の世界的リーダーとなる。同社が共有する最先端の設計技術は我々の人材育成に非常に役立ち、IC設計インキュベーションセンターに恩恵を与える。したがって、ベトナムの半導体産業全体の発展に貢献するだろう。」という。
ベトナムは2030年までに半導体産業向けに5万人のエンジニアを育成することを目標にしている。