企業紹介 2024年06月01日14:10

YUWA VIETNAM CO.,LTD:射出成形部品メーカーから総合メーカーへ

金型の設計から射出成形品の加工・組立まで一貫請負生産を行っているプラスチック精密加工業「ユウワ」(長野県小諸市)のベトナム法人YUWA VIETNAM CO.,LTD.は、2024年を「第2の創業期」と位置づける。今年2月に現法設立から満15周年を迎え、新たな飛躍を迎える区切りの年。市場環境はより厳しくなり、多くのライバル企業も生き残りをかけて競争も激しくなる一方だ。こうした中で同社が選んだのは、射出成形部品メーカーから総合メーカーへの転換だった。第2工場第2棟の操業を契機に、体質改善に挑む「ユウワ・ベトナム」の第2幕が切って落とされようとしている。

YUWA VIETNAM CO.,LTD:射出成形部品メーカーから総合メーカーへ

セット取りと自動機事業

「このまま何もしなければ、顧客企業も仕事も、より人件費が安く部品単価の安価なカンボジアやミャンマーといった周辺の国々に流れてしまうだろう」と危機感を露わにするのは、日本本社で専務取締役を務めベトナム法人のGeneral Directorも兼任する飯高真一氏。それだけに、旧正月(テト)明けに第2工場第2棟の建築許可が現地の工業団地運営委員会から無事に下りたことに、ひとまず胸をなで下ろす。満を持しての受注拡大戦略、そして新規事業に臨めるからだ。

まずは新しい第2棟に、第1工場の旧棟などにあった射出成形機やCNC加工機などを順次移転させ、5月末の本格生産開始を目指す。稼働を予定しているのは、金型の設計・生産から射出成形品の加工・検査・組立までをワンストップで担う自動化を採り入れた生産ライン。結果、飯高氏が言うところの「セット取り」が実現する下地が整うことになる。単なる個別の部品受注に止まらず、製品の設計に始まって、生産・組立・加色・メッキ、電気、機械などトータルとしての受注を意味するセット取り。これが現状を打破し、総合メーカーとしての新たな立ち位置を創出する切り札になると読む。

次に、多くの企業が必要性を理解しながらも、負担が多く未だ十分に導入しきれていない自動機の開発・生産・販売の新規事業を立ち上げる。これまで金属加工を担ってきた第1工場の機械室跡をフル活用する。100台前後の工作機械が配置されていた50×50メートルのスペース。ここに、自動機の組立ラインと販売のための管理・保管ゾーンなどを新たに開設させる計画だ。セット取りと自動機事業。この2つを柱に、不確実性の高い今後のベトナム市場で生き残りをかける戦略だ。

従業員のスキルアップ

 そのための大きなカギとなるのが、現在1300人を擁する従業員個人個人のスキルアップだ。賃金が上昇し、人を集めればよしとされてきた労働集約型の企業経営はすでに過去の遺物と化した。一台の工作機械をあてがわれ操作を行ってきた一人のスタッフが、作業内容の異なる複数台のマシンを同時に受け持つように改善を進めないと生産性は上昇しない。多能工の育成・拡充こそがこれからの解決に向けた答えだと確信している。

ただし、それは労働強化という意味合いでは決してない。従業員との個別面談やミーティングは何度も重ねてきた。ベトナム製造業界が置かれた現在の状況、周辺国市場との差異。変革への要請は待ったなしのところにまで迫っていることもひざ詰めで説いた。会社が求めるばかりではない。個々人のスキルと生産性を引き上げることで、給与水準は上昇し、豊かな生活が送れることへの理解も得た。繁忙期の残業に対する考え方も同様だ。自ら仕事に能動的に就き、多能工になろうと変化を求める共通認識はスタッフの間で日増しに高まっている。

自動機の新規事業についても、人材育成はすでに始まっている。グループ内ではこれまで、中国江蘇省蘇州市にある中国工場がその任を担ってきた。ここに将来性あるベトナム人エンジニアを厳選派遣し、3カ月間の研修を受ける体制が間もなくスタートする。設計から組立、オペレーションなど学習項目は多岐にわたる。帰国後、スカラロボットなどが配置された組立ラインで、後進の指導も兼ねながら生産に従事してもらう考えだ。ゆくゆくは、設計の重要な部分についてもベトナム移管を目指している。

ハノイ駐在員事務所の開設も

 ベトナム国内における営業体制も強化させる方針だ。首都ハノイ近郊へはこれまで、本社のあるホーチミン市から月2回程度足を運んでいたものの、これを大幅増させ顧客の掘り起こしを進める計画でいる。将来的な駐在員事務所開設も念頭に置く。中部ダナンにも重要な顧客が多数おり、さらなる関係性の構築に励む。生産部門の生産性を引き上げるばかりではなく、営業部隊の営業力の底上げが車の両輪となってユウワ・ベトナムの第2幕は果たせると考えている。

一方で、従業員のスキルアップは人材の流動化を招きやすいというジレンマにも悩み立つ。技術を習得したものが他社に引き抜かれるというヘッドハンティングだ。事実、中国企業や韓国企業などでは人材の引き抜きは日常茶飯事だ。だが、それを正面から押しとどめることは競争社会ではありえない。だからこそ、仕事の面白さを伝えていく。福利厚生などの整備も大胆に行っていく。女性の幹部登用も積極的に進めていく考えだ。

現法設立から16年目の今年、ユウワ・ベトナムは第2の創業期を迎えるスタートラインに立った。飯高General Directorは、「現状のままの部品メーカーでいれば、将来はないことは数年前から分かっていた。第2工場第2棟の完成で、ようやく打破できるところまできた。これからが本当の真剣勝負」と話す。その目は次の10年、15年を見据えている。

YUWA VIETNAM CO.,LTD

【金型工場】No.15 Street No.6, Vietnam Singapore Industrial Park II, Hoa Phu Ward, Thu Dau Mot City, Binh Duong Province

【成形工場】No.7, Street No.19, Vietnam Singapore Industrial Park II- A, Vinh Tan, Tan Uyen Town, Binh Duong Province

牧野(日本人直通)Mobile: (+84)126 5226 177/ Email: t-makino@yuwa-net.co.jp

Thuy: yvl-sales@yuwa.com.vn

Huong: myhuong@yuwa.com.vn

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