ベトナムの8月輸出入総額は前月比6.7%増の609.2億ドルに達した。輸出は4カ月連続で好調維持し、米経済の回復や先進工業国のサプライチェーン多様化の恩恵で今後も拡大が続く見込み。

ベトナム統計総局によると、2023年1〜8月期、輸出入総額は前年同期比▼13.1%減の4352.3億ドルで、うち輸出額が▼10%、輸入額が▼16.2%とそれぞれ減少した。同時期の貿易黒字は201.9億ドルとなる。
輸出活動は活発化する傾向を示す
2023年1〜8月期の累計輸出額は前年同期比▼10%減の2277.1億ドルとなる。尚、8月の輸出額は323.7億ドルにのぼり、前月比7.7%増と4カ月連続で増加し、回復の流れを維持している。
品目別では、1~8月期で輸出額が10億ドルを超えたのは30品目あり、輸出総額の約91.8%を占める。うち、100億ドルを超えたのは5品目あり、輸出総額の58.4%を占める。
部門別でみると、「製造・加工業」は2013.1億ドルを計上し、全体の88.4%を占める。それに次ぐ「農林産業」、「水産業」、「鉱業」はそれぞれ178.7億ドル(7.9%)、57.1億(2.5%)、28.2憶ドル(1.2% )を計上している。
貿易黒字は拡大
ベトナム貿易収支、2023年1~8月期は201.9億ドルの黒字
2023年1〜8月期の累計輸入額は2075.2億ドルで、前年同期比▼16.2%減となる。尚、生産用原材料をはじめ、輸入はここ数カ月で回復が進んでいる。8月の輸入額は前月比5.7%増の285.5憶ドルに達した。うち、国内経済部門は同比▼1.4%減の102.5億ドルで、対ベトナム海外直接投資(FDI)部門は同比10.2%増の183億ドルを計上している。
品目別では、1~8月期で輸入額が10億ドルを超えたのは37品目あり、輸入総額の89.9%を占める。うち、100億ドルを超えたのは2品目あり、輸入総額の38.8%を占める。
8月の貿易収支は38.2億ドルの黒字となる。1〜8月期は前年同期の52.6億ドルの黒字から201.9億ドルに拡大した。うち、国内経済部門は140.2億ドルの貿易赤字を、FDI部門は342.1億ドルの貿易黒字を計上している。
輸出活動を促進するカギ
ベトナム産業貿易省によると、ベトナムの最大輸出市場である米国は予想以上の経済成長を達成し、在庫減少が進んでいるため、ベトナムの輸出にとって有利になるという。
また、先進工業国がサプライチェーンや投資先の多様化を実施することは、ベトナムの主要な生産・輸出国としてのグローバル・バリューチェーンにおける地位の強化に寄与する。
ヨーロッパやアメリカ等の主要貿易相手国との自由貿易協定(FTA)も輸出を促進する要因になる。