レンズ製造大手のタムロンはハノイに第2工場を建設。2030年までにベトナムが同社の生産量の半分を占める目標だ。
⽶中間の地政学的緊張が高まっていく中、レンズ製造大手のタムロンは2025年1月にベトナムの第2工場を着工する計画だ。新工場はハノイに位置し、投資総額が2675万ドルで、敷地面積が28,500平方メートルに達する。
これは同社の世界最大の工場となる。金型成形から塗装、部品組み立てに至るまで、レンズ製造の全工程を行う。2028年までにフル稼働し、約1500人の労働者を擁する見込みだ。
1952年に設立されたタムロンは埼玉県に本社を位置し、青森県に2か所の工場を展開している。海外では、中国広東省佛山市に1カ所、ベトナムのハノイに1カ所の工場を構えている。佛山工場とハノイ工場はそれぞれ同社の生産量の65%、25%を占めている。
米中間の貿易摩擦が激化する中、中国製のレンズは米国に輸入される際、25%の追加関税が加わり合計27.5%が課されている。タムロンはベトナム新工場を稼働させ、2030年までに同社製品の半分をベトナムで生産することを狙っている。佛山工場は中国国内需要に対応する一方、ベトナム工場は中国以外の市場に輸出する。日本拠点は新製品・技術の研究開発を担当する。
同社は今後、セキュリティシステムやファクトリーオートメーション向けのレンズ、自動車や医療機器向けの高度な製品など、製品ポートフォリオを拡大する計画だ。