水溶性ポリマー包装を製造するための技術ソリューションを提供するスタートアップである「PVA PRO」はITIファンド(=Innovative Startup Investment Fund)から100万ドルの資金を獲得した。
「PVA PRO」は2021年に設立され、新興PVA(ポリビニルアルコール)の研究・開発に取り組んでいる。同社の水溶性ポリマー包装は通常のプラスチックの靭性を確保しながらプラスチック粒子を放出しないため、多目的の使用と自然生態系の保全を両立できる。
従来のプラスチックの分解には450年以上がかかる。生分解性プラスチックなら特別な条件下で6~12カ月で分解される。一方で、PVA素材は温水(約70 ℃)に溶けきるまで30~60分しかかからず、比較的優れている。
PVA素材はこれまで液体洗剤や薬等のカプセルの製造に適用されているが、不透明色と冷水可溶性を持っているため包装材として採用されない。一方で、「PVA PRO」の提供する新興PVAは薄くて透明で、お湯にしか溶けないので、応用力が向上する。
同社に融資した理由について、ITIファンドの代表者は、「世界市場の大手企業はますます持続可能な開発に真剣に取り組んでいるため、「PVA PRO」の発展余地は大きい。」と述べた。
同社は現在、ファッション業界で使用される環境に優しい包装製品の研究・開発を完了した。今後、小売業や日用消費財業界(FMCG)向けのソリューションの開発に取り組む計画だ。また、今回の調達資金を活用し、生産能力向上や新製品開発、事業拡大等を促進するという。