市場調査 2024年04月18日04:19

ベトナムの電動工具市場

電動工具は工場で広く使われているだけでなく、ベトナムの多くの家庭でも身近な存在だ。ドリルからグラインダー、ドライバーから溶接機まで、どの工具も利便性と性能を備えており、労働集約的な作業に費やす労力と時間を削減するのに役立っている。本稿ではベトナムの電動工具市場を紹介する。

ベトナムの電動工具市場

電動工具の市場区分

電動工具市場は「家庭用」と「工業用」のセグメントに分けられる。

まず家庭用は電動工具市場の重要なセグメントであり、ドリル、ネイルガン、ドライバーなどの製品が含まれる。このセグメントの製品は、DIYや家具の修理に使われることが多い。

一方、工業用は以下に分類される。

木材加工産業:ベトナムの重要な産業であり、木材製品はベトナムの主要輸出製品のひとつである。このセグメントには、のこぎり、グラインダー、ドリルなどの電動工具や、木材加工専用のその他の特殊工具が含まれる。

建設産業:高成長を続けている産業のひとつであり、ベトナム経済を牽引する重要な原動力となっている。建設需要の増加はベトナムの電動工具市場の力強い発展を促進する。この分野には、ドリル、グラインダー、カッターなどの電動工具や、コンクリート、レンガ、金属などの材料を扱うためのその他の工具が含まれる。

製造・加工業:建設業と同様、ベトナム経済の重要な柱のひとつ。加工・製造工程では高い精度と効率が要求されるため、電動工具の需要が特に高い分野である。この産業で使用される電動工具は、ドリル、グラインダー、金属切断工具、溶接機など多岐にわたる。

海外ブランド

マキタ(日本):ベトナムで最も人気のある電動工具ブランドの一つ。ベトナム市場における同ブランドの製品は、ドリル、スクリュードライバー、ネイルガン、カッター、ノコギリなど多岐にわたる。同社は200911月、販売とアフターサービスを行う子会社をベトナムに設立した。この子会社は南部ビンズン省のVSIP II工業団地にある。20114月には北部バクニン省のVSIPバクニン工業団地にも支店を開設。他にも、ハノイ、ハイフォン、ダナン、ニャチャン、ブオンマートゥアット、ホーチミン、カントーの7つの省・市にカスタマーサービスセンターを有している。マキタは顧客のニーズに迅速に対応し、解決するために、ベトナム全土に広がる支店網を設けている。

ボッシュ(ドイツ):ボッシュのベトナム進出は早く、1994年にホーチミン市に最初の駐在員事務所を設立。2007年以降、ハノイ市とダナン市に事務所、ドンナイ省に自動車部品工場を設立し、ベトナムでの事業を拡大している。現在はベトナムでビジネスソリューションの研究所と自動車技術の研究所を運営。ベトナム人に信頼されている電動工具のブランドであり、家電製品、自動車部品、機器の分野でもよく知られている。また同ブランドは、ベトナムの3Eコマース・プラットフォームであるShopee66100フォロワー)、Lazada51700フォロワー)、Tiki3000フォロワー)のすべてに公式店舗を構えている。ここに掲載されている商品は、主に電動工具と関連アクセサリー、スペアパーツで、消費者から高い評価を得ている。

京セラ(日本):ベトナム本社はハノイ。ホーチミン市にも支店があり、販売機能を担っている。2014年にハノイのタンロンⅡ工業団地に2つの工場が完成し、電子部品を生産している。現在はハンドドリル、丸鋸、アングルグラインダーからジグソーのような大型機械まで幅広い製品を提供している。また芝刈り機、ヘッジトリマー、スプレークリーナー、掃除機も扱っており、ユーザーの多様なニーズに応えている。顧客は必要に応じて電気、バッテリー、ガソリン製品から選ぶことができる。

日立製作所(日本):1994年にホーチミン市、1996年にハノイ市に駐在員事務所を設立。現在ベトナム国内にグループ企業が14社あり、様々な分野で事業を展開している。電動工具の分野ではドリル、アングルグラインダー、コンクリートチゼルなどベトナムで人気のある製品を提供している。

ブラック・アンド・デッカー:スタンレー、デウォルトなどのブランドを所有。同ブランドの製品のほとんどは国内の輸入販売業者を通じて流通しており、ブランド自体はベトナム市場であまり活動していない。主な製品はドリル、のこぎり、グラインダー、掃除機、ドライバーなど。

国内流通チャネル

家電スーパーマーケットチェーン:ベトナムには、Dien May XanhPICOHCといった大手家電スーパーマーケットチェーンがあり、主に家電機器を販売している。支店により、電動ドライバーやドリルなどの小型電気工具も扱っている。

個人商店:電化製品店や金属工具店も非常に人気があり、多くの中高年消費者に支持されている。その理由は、彼らの多くがインターネットでの購入に慣れておらず、直接商品を確認するのを好むため。地方によっては店舗が一か所に集まり、徐々に同じような商品を専門に販売する通りを形成することもある(例:ハノイ市のHang Chao通り)。

輸入・流通の専門業者:電動工具製品を個人消費者や企業に販売する国内輸入業者は多い。輸入業者は多くの異なるブランドを輸入し、一定の範囲内で流通させることが多い。最近ではオンライン・ショッピングの普及に伴い、多くの輸入業者がShopeeLazadaなどのEコマースサイトに販売商品を掲載している。販売業者および輸入業者は、モーター駆動の電動工具の労働安全に関する国家技術規則(QCVN 092012/BLDTBXH)を遵守しなければならない。

まとめ

  • ベトナム市場で最も人気のあるブランドはマキタとボッシュである。両ブランドは製品の多様性と高い品質により、消費者の信頼を勝ち取っている。
  • 一般的に、家電や電気製品の分野では、ベトナム人は日本ブランドを好む。ベトナム人にとって日本ブランドは卓越した品質を保証するものであり、消費者から常に高く評価されている。
  • ベトナムでは現在、Eコマース・プラットフォームを利用したオンライン・ショッピングが非常に人気だ。企業はユーザーに効果的にアプローチするために、この販売チャネルの利用を検討すべきだろう。
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