ビジネスニュース 2023年05月20日16:53

中国メーカー、生産拠点をベトナムに移転

中国の経済メディアYicai Globalによると、中国企業は、繊維業界からハイテクや太陽光発電業界まで、複数業界で貿易障壁を回避するために生産拠点をベトナムに移転する企業が増えている。一部の中国企業は現在、ベトナムでの工場による輸出注文への対応を実施している。

中国メーカー、生産拠点をベトナムに移転

ブロードバンド通信端末の製造業者であるゴンジン(共進電子=Gongjin Electronics)は、約4億元(約5750万ドル)を投じて、ベトナムでの新工場建設の最初の2段階を実施した。これに先立ち、深センを拠点にしたゴンジンは海外生産を行わず、中国工場で生産した製品の半分程度を米国・ヨーロッパ市場に輸出していた。ベトナムでの工場開設からわずか4年後、同社の輸出品の生産活動の全てはベトナムで行われている。

ゴンジンの取締役会事務局長であるHe Yimeng氏は、「米中貿易摩擦が生じた2018年以降、弊社の海外顧客からサプライチェーンの混乱を懸念し、海外で生産拠点を開設してほしいという声が多く上がった。ベトナム工場は、第3段階の建設が完了して稼働開始すれば、年間生産額が約100億元(14億ドル)に至る。これに伴い、海外顧客の需要拡大に対応できるようになる。」と述べた。

電子機器の受託製造サービス(EMS)メーカーDBG(=恵州光弘科技)は今後3年以内に、ベトナムでの工場を年間4000万台のスマホや他の電子機器を製造できる海外主要拠点にし、年間輸出額を45億ドルまで引き上げることを目指している。そのために、約1万5000人の労働者を採用・訓練する一方、現地調達をサポートするサプラインチェーンをベトナム北部タイグェン省で構築する計画だ。

産業チェーンの上流・下流の多くの中国企業は手を組んでベトナムへの投資を展開している。例えば、DBGはスマートハードウェアメーカーであるHuaqin(=華勤テクノロジー)と米アップルのサプライヤーであるLingyi(=零壱創新科技)と、タイグェン省での工業団地の建設で提携している。

本提携に関し、Huaqinの取締役会事務局長Wang Zhigang氏は、「他の企業と提携して海外開発を進めることはパートナーと顧客の両方の観点から見ればより安全な選択肢になる。ベトナムでの提携により、両社はリスクを共有するだけでなく、協力関係も強化できる。」と述べた。

また、ベトナムをはじめ海外での工場に関し、次のように指摘した。

「長期的に、中国での2か所の工場が当社の総生産能力の8割を占め、ベトナムやインドネシア等海外での工場は残りの2割を負担すると計画される。ベトナムには低人件費および税制上の優遇措置というメリットがある一方、水道光熱費や他の公共料金に関しては中国とほぼ変わらない。また、ベトナム工場は依然として中国から多くの部品を輸入する必要がある。産業チェーンの完全性の点で中国に匹敵する国はないのだ。」

VnEconomy / Translator: Thùy Trang
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