ビジネスニュース 2023年08月21日08:28

BMIリサーチ予測「ベトナムの2023年のEV普及率は13.6%になりうる」

市場調査会社BMIリサーチは、ベトナムの2023年の電気自動車(EV)普及率が2022年の2.9%から13.6%まで大幅に上昇すると予測した。特に、乗用車市場に占めるシェアが急激に拡大する見込みだ。

BMIリサーチ予測「ベトナムの2023年のEV普及率は13.6%になりうる」

ベトナムのEV市場は拡大傾向

市場調査会社スタティスタによると、昨年、ベトナム市場における乗用車販売台数が28万4000台で、うち乗用EVがわずか数千台販売された。しかし、EV市場シェアは今後急速に拡大すると指摘されている。

BMIリサーチによると、ベトナムでの2023年の乗用EV販売台数は前年比114.8%増の1万8000台にのぼる可能性がある。うち、バッテリー式電気自動車(BEV)の販売台数は同104.4%増の1万7000台に達し、プラグインハイブリッド車(PHEV)は昨年の9倍となる1100台に及ぶ。乗用EVの2032年の年間販売台数は6万5000台、2023~2032年の年間平均成長率は25.8%に達する。乗用EVの普及率は昨年の2.9%から13.6%に著しく上昇する見込みだ。

ベトナム自動車工業会(VAMA)はEV保有台数が2028年までに100万台、2024年までに350万台に達し、同様に急成長を予想している。

市場成長を促進する主な要因

EV市場の急成長は国内メーカーのビンファスト(VinFast)の増産および中国メーカーの進出に起因する。

2022年、ビンファストはベトナムEV市場の50%以上を占め、残りは中国メーカーとなる。2023年になって、五菱ブランドの「宏光 MINI EVをはじめ多くの中国メーカーはベトナム市場に参入している一方、ビンファストは低価格セグメントの「VF 3」モデルを発売した。

東南アジア諸国におけるEV生産も拡大している。1月、ベトナム政府は東南アジア諸国からの完成車に対する輸入税を0%にする政策を2027年まで延長すると発表した。この動きは国内EV市場を刺激すると期待されている。

また、EV用バッテリーのレンタルサービスで利用者の負担コストを削減することや、EVタクシーの普及促進でEVへの認識を深めること等、多くの要因が挙げられる。

EV普及を阻害する要因

BMIによると、ベトナムは充電インフラの普及がEV普及に追いつかないという課題に直面している。現在の充電インフラの大分は電動二輪車や電動自転車やスクーターにしか対応できない。EV市場拡大には充電ネットワークの構築が不可欠だと指摘されている。

自社EVに対応する充電ネットワークがかなり整っているメーカーであるビンファスト以外に、EV充電振興のEBOOSTやベトナム電力総公社EVNは公共充電ステーション設置に携わる計画を発表した。台湾フォックスコン(Foxconn)は2.5億ドルを投じて北部クアンニン省でEV充電機器や関連部品の製造工場を建設する計画で、EV充電市場に参入する計画を表明した。

VnEconomy / Translator: Thùy Trang
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