欧州連合が中国製EVに相殺関税を課すことを検討している中、ベトナムEVメーカーのビンファストはEVを初めて欧州に輸出する計画を発表した。
ロイター通信によると、ビンファスト(Vinfast)は2023年第4四半期に、3000台の電気自動車(EV)「VF 8」モデルをフランス、ドイツ、オランダの3カ国に出荷する見通し。
今回の計画は、昨年7月までにEV700台を納車するという同社の未達成目標の4倍となる。実現できれば、ヨーロッパは今年、同社にとって最大の海外市場になる可能性がある。これに先立ち、2100台のEVを米国に出荷した。
ヨーロッパ市場進出の計画に関し、ビンファストのCEOレ・ティ・トゥ・トゥイ氏は、「当社は今年Q4からEV「VF 8」をフランス、ドイツ、オランダで販売開始する予定だ。他のモデルの「VF 6」、「 VF 7」、「 VF 9」は2024年からヨーロッパで発売することを目指している。」と述べた。
同氏によると、「VF 8」は既に欧州規制当局によってEU基準に準拠すると認められており、27カ国圏内で販売可能だ。車両の安全性評価「ユーロNCAP」を取得するための手続きも完了したという。
中国ブランドとの競争
自動車コンサルティングのイノベブによれば、欧州は中国EVメーカーにとって主要市場の一つで、23年1~7月期の納車台数が前年同期の約3倍となる7万台に達した。
EUが中国製EVに関税を課すことを決めた場合、ビンファストのEVは価格的に優位性がある。例えば、フランスで、同社の「VF 8」は5万990ユーロに価格設定される一方、関税の脅威にさらされている中国製のテスラ「Y」モデルは4万6000ユーロに価格設定される。
ヨーロッパ市場進出はビンファストのグローバル戦略の一環となる。これに先立ち、米国とインドネシアに工場建設計画を発表した。今後、インドや中東諸国、アフリカ、ラテンアメリカでの事業拡大も視野に入れる。
ナスダック上場直前に、第2四半期の納車を強化し、6月中に1万1315台を顧客に引き渡した。その大部分はタクシーブランドをはじめ国内市場向けに販売された。第2四半期の売上高は前年同期比131.2%増の3億2700万ドルに達したとともに、当期純損失は同8.2%減の5憶2670万ドルだった。
_______________________________________________________________________________
関連記事