フォックスコンやルクスシェアに次ぐ、他のアップルサプライヤーの伯恩光学は2.5億ドルのガラス製造工場を建設し、ベトナムで事業拡大計画。
スマホ向けのカバーガラスメーカーである伯恩光学(Biel Crystal)は、ベトナム北部ハイズオン省に投資総額6兆1000億ドン(約2億5000万ドル)のガラス製造工場を建設する計画を発表した。新工場建設用地は20.2ヘクタール程度だ。
当工場の年間生産能力は、ガラス製品1億2100万個、光学機器1億2100万個、プラスチック製品1億5400万個に達する他、約1億2300万個のカバーガラス製品を分類・検査する。フル稼働に向けて、約1万4000人の新規雇用を創出する見込みだ。
2025年第2四半期から稼働開始の予定となる。
伯恩光学は米アップルや韓国サムスン向けの最大のカバーガラスサプライヤー
1989年に中国で設立された伯恩光学は米アップルや韓国サムスン向けにカバーガラスを供給し、カバーガラスをはじめガラス製造分野で世界トップシェアを誇っている。2017年、世界で使われていたiPhoneの3分の2が同社製のガラススクリーンを搭載していた。
2017年、北部バクニン省VSIP工業団地に工場を建設し、ベトナム市場に参入した。時計やスマホ、パソコン等向けのプラスチック保護フィルム以外に、ガラス製品や光学機器の製造も行っている。特に、アップルのレポートによると、伯恩光学がアップルに供給している製品は全てバクニン工場製だという。
表:アップルの最新のサプライヤーリスト
フォックスコンやゴーテックといった他のアップルサプライヤーが相次いでベトナムで生産拠点拡大を進める背景で、同社はハイズオン省工場建設に関する投資決定を発表した。
アップルの主要サプライヤーはベトナム進出の勢いを加速
2023年1月、中国液晶最大手BOEはベトナム北部に生産拠点2カ所の建設に向け4億ドルの投資を行う計画を表明した。同社は2021年からアップルのサプライヤーになり、2024年に新型iPhone向けにディスプレイを供給する最大の協力会社となる可能性があると予想されている。
ルクスシェア(立訊精密工業)は中部ゲアン省に1憶5000万ドルの電子部品製造工場を着工し、2024年から稼働開始の見通し。ゴーテック(歌爾声学)は北部バクニン省に家電製品・通信機器・光学機器等の製造工場を計画中。他のサプライヤーであるクアンタ(広達電脳)やフォックスコン(鴻海)にも同様な動きがみられている。
ルクスシェア、ゴーテックおよびフォックスコン3社のベトナムでの売上高は年々増加している。2021年の3社の売上高合計額は130億ドルにのぼり、前年比35%増、2018年から4.5倍に成長した。
アップルの最新のサプライヤーリストによれば、同社のサプライヤー25社がベトナムに進出しており、13省に計27カ所の生産拠点を構えている。他の市場の成長が鈍化している中、ベトナム市場は同社にとって重要性が高まっている。
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