企業紹介 2023年11月21日02:37

筑波ダイカスト、ベトナムでダイカスト製品供給30年 EV化でさらなる躍進目指す

アルミニウムやマグネシウムといった軽金属を素材としたダイカスト製品の生産を主力とする筑波ダイカスト工業株式会社(東京都北区)は1951年の創業。ベトナム市場への進出は早く、1997年より操業を開始している。折しもベトナムがドイモイ(刷新)政策を強力に推し進め、工業化が一気に進み始めた時期と重なる。以来、約30年の時が流れ、現地法人ツクバ・ダイキャスティング・ベトナム株式会社(TDV)は3つのダイカスト工場を持つまでに成長した。ベトナム市場でも進む電気自動車(EV)化の流れなどを背景に、さらなる躍進を目指す。

筑波ダイカスト、ベトナムでダイカスト製品供給30年 EV化でさらなる躍進目指す

アルミとマグネシウムの3工場体制

筑波ダイカスト工業のベトナム進出は1995年に始まった。同年12月、ベトナム投資計画省から許認可を取得すると、1997年4月には首都ハノイ市のサイドンB工業団地に第1号案件となるハノイ工場を操業している。北部エリアに位置する工業団地群の中では同国初となる海外投資案件。それだけ、ベトナム政府の期待も大きかった。

日系の取引先を中心に、産業機器や家電部品などの受注を拡大。第1工場ではアルミダイカスト生産のラインがフル稼動を続けた。やがて操業も軌道に乗ると、2009年12月には北部紅河デルタ地方のフンイエン省に第2工場(フンイエン工場)を新設。ベトナム国内では初となるマグネシウムダイカストの生産を開始した。

寸法精度に優れ、軽くて表面が美しく、複雑な形状にも対応し、電波を包み込むという特性を持つマグネシウムダイカスト。しかし一方で、燃焼がしやすく発火する危険と隣り合わせという難点も併せ持っていた。このためマグネシウム素材を使ったダイカスト生産を行う事業所はベトナムにはほとんどないのが実情で、第2工場の誕生は業界からも待ちに待った待望の供給源として受け止められた。パソコンやカメラの筐体、自動車のハンドル部品などの受注を一気に増やし、増産体制を迎えた時期ともなった。

第3工場であるフォーノイ工場(フンイエン省)は2020年5月に第一期工事が竣工。フォーノイA工業団地内にある同工場は、3工場の中でも最大規模の4万3000平方メートルの敷地面積を持つ。ここに第1工場と並ぶ延床面積7300平方メートルの工場を構え、2021年1月から本格稼働を開始している。アルミニウムとマグネシウムの両ダイカスト製品を生産している。

金型メンテナンス

設計、鋳造、加工、バリ取り、塗装までの自社内一貫生産

 ツクバ・ダイキャスティング・ベトナムの最大の特徴は、原材料の調達から設計、鋳造、加工、バリ取り、塗装までの各工程を自社内で一貫して受注できる点だ。顧客のニーズに合わせ、一部加工までといった部分生産や多品種少量生産にも対応する。個数や用途、納品形態を問わない柔軟な対応が、取引先からの厚い信頼につながっている。

昨今、特に注視・注力しているのが自動車業界だ。ベトナムでもEV化の波が押し寄せ、新たな部品生産などの計画が次々と持ち上がっている。中でも関心が集まっているのが、車載電池などが放つ熱をどう処理するかといった放熱処理の問題だ。そこで注目されているのがアルミダイカスト製品。高い放熱性能を持つ同製品が電池やモータのカバーなどに活用できないか、メーカー各社からの問い合わせが相次いでいる。

もともとモーターバイクや産業機器、家電部品を中心に始まった同社のベトナム事業。市場のEV化に向けた変化を背景に、近年は総売上高の30%前後まで自動車関連製品の受注が増えるようになった。このため日本の本社工場に続いてハノイ工場とフンイエン工場についても、自動車産業の国際的な品質マネジメントシステムの要求事項を規定した国際規格「IATF16949」の認証を2022年中にいち早く取得。国際基準にも対応している。今後、この分野の受注も拡大していく方針だ。

ダイカスト部品のバリ取り作業

今後の取り組み

現地に駐在し、ベトナム事業を預かるのがGeneral Directorの茂木秋平氏だ。2016年2月に赴任。現在、就任8年目を迎えている。この間、ツクバ・ダイキャスティング・ベトナムの20周年記念式典を指揮したほか、第3工場の竣工・開業といった節目の事業にも携わった。ベトナム事業が、産業機器や家電部品中心からEV市場へ広くウイングを広げた時期とも重なった。

「自動車部品市場への進出は、(当時としては)果たさなければならない最重要課題だった」と茂木氏は振り返る。「一方で、(従来の市場に)取り残されてはいけないという焦りもあった」とも話す。こうした時に社運を救ったのが、同社が長年育て続けてきたアルミニウムとマグネシウムダイカスト製造法の良さを幅広い市場に広めたいという茂木社長はじめ全社員の願いであった。

「アルミ/マグネダイカストの素材であるインゴットは、生産した製品以外の破材を捨てることなく容易に再生して使用できる。それがダイカスト製法の良さだ。まさに環境にやさしい、今言われているSDGsの概念に沿った製品であり、鉄よりも軽いアルミ、樹脂よりも熱に強く、頑丈でさらに薄くできるマグネでのダイカストの良さをよりアピールして更なる市場開拓を進めて行きたい」と今後の方向性にも照準を合わせる。顧客に対する責任、全社員とその家族に対する責任、ベトナム社会などサプライヤーを含む共同社会に対する責任、株主に対する責任という4つの責任を経営の柱に掲げる茂木氏。これらを確実に果たしていくための限りない挑戦は続く。

工場には最新鋭のマシンが揃う

会社情報

ツクバ・ダイキャスティング・ベトナム株式会社

【ハノイ工場】No.A 6, Cong Nghiep 4 Rd., Sai Dong B Industrial Zone, Long Bien TEL:+84-24-3875-9759 FAX:+84-24-3875-9889 

【フンイエン工場】Tan Quang Commune, Van Lam District, Hung Yen TEL:+84-22-1379-1720 FAX:+84-22-1379-1722 

【フォーノイ工場】E3 Road, Pho Noi Industrial Zone, Van Lam, Hung Yen TEL:+84-22-1390-0157 

Email:tdv@tsukubavn.com Web:https://www.tsukuba-dc.co.jp/index.html

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