ベトナムの消費者物価指数(CPI)は、12月期で前月比0.12%増、2023年通年で前年比3.25%増となり、政府目標内に収まる。
ベトナム消費者物価指数の動向
ベトナム統計総局によると、12月期の消費者物価は前月比0.12%増、前年同期比3.58%増だ。第4四半期および23年通年のCPIは前年同期比それぞれ3.54%増、3.25%増となる。
23年通年の物価上昇の主因として、教育部門(+7.44%)や住宅・建設資材物部門(+6.58%)、食料品部門(+6.85%)などの物価上昇が挙げられている。一方で、石油価格指数の激減や郵便・通信部門の価格指数下落などが物価上昇を抑制した要因だと指摘されている。
ベトナムのコア・インフレ率の動向
12月期のコア・インフレ率は前月比0.17%増、前年同期比2.98%増加した。2023年の平均コアインフレ率は前年比4.16%増で、CPIの上昇を上回っている。
主要な原因について、ガソリン価格およびガス価格は22年比それぞれ11.02%減、6.94%減と大幅に下落し、CPI上昇ペースの鈍化につながった。一方で、両方の項目はコアインフレ率を計算する際に除外されている。その結果、23年のコアインフレ率とCPIの上昇率に差異が生じた。
今後の見通し
ベトナム政府は2024年で、世界景気の低迷から脱却し、引き続き海外直接投資の誘致を促進することを目指している。6~6.5%のGDP成長率を達成する目標と合わせ、CPI上昇率を4~4.5%以内に収めることにも挑戦していく。