ベトナム製造業の2月の購買担当者景気指数(PMI)は前月の50.3から50.4に微増し、2カ月連続50ポイントを上回っている。
S&Pグローバルが発表した2月のベトナム製造業購買担当者景気指数(PMI)によると、新規受注増加によって雇用が伸び、生産者物価が上昇に転じ、景況感が一段と改善しているという3点が指摘されている。
2月、生産高と新規受注件数は2ヵ月連続で増加し、雇用の伸びや景況感改善を支えている。但し、企業は購買調達活動を未だに控え、在庫で生産を行った。投入コスト上昇に対応するため、販売価格をわずかに引き上げた。
新規受注増加の原因は海外からの受注件数が増加したことにあると語られている。尚、その伸び率は非常に低水準で、横ばいになる傾向があるため、生産高の拡大も緩やかだ。うち、消費財と投資財の生産が増加した一方、中間財が減産された。
新規受注に対応するために、増産に加え、多くのメーカーは完成品在庫を出荷している。2月の生産後在庫の減少率は直近4カ月で最低、2023年1月以来で二番目に低い。
同様に、原材料を仕入れるよりも、在庫の原材料を使用する傾向が強い。購買調達は4カ月連続で軽減し、投入財在庫の減少幅が2021年6月以来で最も高い。輸送コストの上昇とともに、調達先の納期が延長されている。投入コストの増加に対応するため、販売価格を引き上げたメーカーもある。なお、競争圧力により販売価格の上昇幅はわずかにとどまっている。
これまで発表されている生産拡大や新製品開発計画は2月の景況感の上昇に寄与する。景況感は1年ぶりの高水準となり、調査回答者の55%近くが楽観的な見方を示した。雇用者数も4カ月ぶりに上昇し、直近1年で最高の成長率となる。ただし、短期契約しか結ばない企業も存在する。